生命保険の基礎知識と誰でもわかる賢い選び方
こんにちは、ゆうです。
先日、友人と話していた時に生命保険の話になり、何故その保険を選んでいるのか聞いたら「周囲から勧められて何となく加入してる」程度の答えしか返ってこなくて驚きました。
日本は生命保険大国と言われるほど、生命保険に加入している人が多い国です。
生命保険文化センターの調べによると、平成30年度の個人年金保険を含む生命保険の世帯加入率は88.7%だったそうです。
世帯の平均年間払込保険料(全生保)を見てみると、平均38.2万円となっており、つまり各家庭では毎月約3万円の生命保険料を払っていることになります。
更に、仮に30歳から60歳まで加入するとなれば、合計で約1150万円にもなる高額な買い物です。
それなのに、「何となく」で選び、「死んだらお金がいくらか貰える」、程度の認識ではだいぶ損すると思いませんか?
今回は、そんな生命保険を選ぶ上で必要な考え方を学んでいきましょう。
生命保険とは
まず生命保険とは、人の生命や傷病に関して備える第一分野の保険です。
火災や事故、物損に関しては損害保険という第二分野の保険が該当します。
また第三分野には医療保険というものもあり、これは入院や手術に対し保険金の給付を行います。
生命保険は、そもそも相互扶助の精神という助け合いの仕組みで成り立っています。
多くの保険契約者がお金を出し合うことで、保険金が用意されます。
生命保険は、万が一の時のリスクヘッジをすることができるというメリットの他、節税対策(住民税、所得税、相続税)にもなります。
また貯蓄面から保険加入を考えると、加入時点で将来の貯蓄希望額を備えることができます。
デメリットとしては、月々の保険料がかさむことの他、途中解約時に元本割れを起こす可能性があること、インフレによって貨幣価値が下がった場合は将来受け取れる保険金も下がるというリスクがあります。
生命保険の種類
生命保険の基本型は3種類あり、簡単に説明すると以下の通りとなります。
定期保険
満期があり、満期時の返戻金はありません。
保険料は安価ですが、掛け捨てとなります。
終身保険
満期がなく、死亡と同時に保険金が支払われます。
保険料は比較的高額ですが、保証期間のうちは値上がりすることがありません。
養老保険
満期があり、満期時の返戻金もあります。
しかし現在は低金利の為、高い運用回りは期待できません。
このように、毎月の保険料の安い保険は掛け捨てになり、高い保険はお金が貯まります。
また定期保険と養老保険は満期到来後には保険金が貰えません。
生命保険は、死んだ時にお金が貰えるのではなく、厳密には保険の有効期間内の死亡時に保険金が受け取れる、という仕組みです。
この有効期間も保険によっては10年や15年と短く設定されていることもあるため、契約時にはしっかり確認するようにしましょう。
保険を選ぶ時に考えるべきこと
保険を選ぶ時に考えるべきことは、「誰の為に」、「どんな目的で」、「どのぐらいの金額を」、「いくらの予算で」、「いつまで備えるか」で考えるべきです。
つまり、自分のこれからの人生を想像し、「将来経済的に困る人がいないか」、「自分の死後や子供の学費など何にお金が必要か」、「その目的のために必要な金額はいくらか」、「月々いくらの掛け金だと現実的に可能か」、「定年や子供の独立後などいつまで保障すべきか」を考えて決めましょう。
その考え方は、保険に入る目的やライフステージごとの必要性から検討されてはいかがでしょうか。
保険に入る目的
生命保険の加入目的は「医療費や入院のため」、「家族の生活保障」、「葬式代」と大きく3つに分けられると言われています。
この中から、例えば医療費も葬式代も恐らく老後にこそ必要になることからすると、これらの保険は、医療保険、終身保険で対応することが望ましいでしょう。
また家族の生活保障は、子供が成人した後はそれほど大きな保障は必要なくなるということでしたら、定期保険で対応するのが良いと考えられます。
ライフステージごとの必要性
就職時
独身であれば、家族への生活保障の必要性は低いため、医療保険や損害保険の優先度が高いと考えられます。
結婚時
奥さんが専業主婦の場合、旦那さんはある程度の死亡保障を検討する必要があると考えられます。
また夫婦共働きの場合、収入に合わせた死亡保険や医療保険の優先度が高いと考えられます。
出産時
自分の死亡保険の他、お子さんの教育費を準備する必要があります。
定年後
いかがだったでしょうか。
かなり端的にまとめましたが、生命保険に加入する時はしっかりと用途を決めて、自分のライフプランに合うように見直しつつ運用していってください。
ちなみに、保険会社が保険金を支払った平均はいくらぐらいだと思いますか?
生命保険協会が調査している生命保険の動向によると、2019年度の死亡保険金は114万件で3兆860億円だったそうです。
これを平均すると、なんと1件あたり約270万円になります。
つまり、多くの人は保険の有効期限内に死亡せず保険金を受け取らなかったということになります。
数字だけで見ると、支払額に比べ、意外と受け取る金額って少ないんだなと思われたでしょう。
これだけでも「死んだらお金が貰える」なんて漠然と考えてるだけではダメだということが理解できると思います。
こうした掛け捨てとなる保険料をいかに抑えるべきか、ご自身のライフプランに合わせて保険をしっかりと見直していきましょう。